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蒸気管理で環境負荷を減らす方法|スチームセーバーによるCO₂削減効果

2026.08.25

蒸気管理

工場や病院、商業施設などの蒸気設備では、蒸気の漏えいやドレン排出の不具合が、気づかないうちにエネルギー損失につながることがあります。こうした損失を抑えるには、蒸気の使用状況を把握することはもちろんのこと、スチームトラップを適切に選定・管理することも重要です。実際、環境省も高性能スチームトラップやドレン回収システムの導入を、蒸気ロスの低減に有効な対策として挙げています。
そこで、本記事では、蒸気管理が環境負荷の低減につながる理由や、スチームセーバーの効果、検討の方法を解説します。

蒸気管理が環境負荷の低減につながる理由

そもそも、蒸気管理が環境負荷の低減につながるのは「蒸気システムで発生するエネルギーロスを減らせる」からです。

蒸気システムのエネルギーロスは、ボイラーで蒸気を発生させる工程だけでなく、蒸気を送り、設備で使用した後にも発生します。実際、蒸気分配系統における損失として、蒸気漏れや保温不良による放熱のほか、ドレンの損失、フラッシュ蒸気の損失などは定番です。

配管やバルブ、フランジなどから蒸気が漏れると、熱エネルギーを持った蒸気が適切な位置に届かないまま失われます。また、配管や機器の保温材が不足または劣化している場合は、表面から周囲へ熱が放出されてしまうのです。

そして、発生したドレンを回収せずに排出すると、ドレンが持つ熱だけでなく、処理済みの水も失われます。回収したドレンは一般的な補給水より温度が高いため、ボイラー給水として再利用することで、蒸気を再び発生させるための加熱エネルギーを抑えられるのです。

蒸気システムを適切に管理できないと、エネルギーロスにつながり、結果的に環境負荷に影響してしまうといえます。

スチームトラップの不具合・管理不足が招く問題

スチームトラップの不具合・管理不足が招く問題として、大きく「蒸気漏れ」「ドレンの滞留」「点検・交換不足」などが挙げられます。それぞれ、どのような問題となるのか、詳しく解説します。

経年劣化による蒸気漏れ

スチームトラップを長期間使用すると、弁や弁座などの構成部品が摩耗し、密閉性能が低下することがあります。弁が正常に閉じなくなると、ドレンとともに生蒸気が出口側へ流れ、蒸気漏れが続いてしまうことになるのです。機械式やサーモスタチック式など、可動部や作動部を持つトラップでは、摩耗や部品の損傷が性能低下の要因になります。

ただし、スチームトラップの寿命は、使用年数だけでは決まりません。トラップの形式、蒸気圧力、ドレン負荷、運転頻度、配管構成、蒸気・ドレンの性状などによって劣化の進み方は異なります。配管から流入する錆やスケールなどの異物が弁と弁座の間に挟まり、弁の完全な閉止を妨げる場合もあります。

蒸気漏れの程度は、完全に開いた状態だけでなく、弁が閉じきらずにすき間が生じてしまっている状態までさまざまです。クローズド式のドレン回収系統では、出口から蒸気が噴き出す様子を直接確認できず漏れが見つかりにくいため、注意したい部分です。

ドレン滞留による熱効率の低下

発生したドレンが速やかに排出されず、伝熱面が部分的に覆われてしまうと、蒸気が直接接触できる面積が減少します。その結果、熱の移動量が低下し、加熱時間が長くなったり、処理能力が低下したりするほか、温度制御が不安定になる可能性があるのです。

ドレンの滞留は、トラップの閉塞や容量不足だけでなく、トラップ前後の差圧が確保できない場合にも発生します。特に、蒸気制御弁によって熱交換器内の圧力が低下し、出口側の背圧以下になると、正常なスチームトラップでもドレンを排出できない「ストール」が起こる問題も生じます。

点検・交換不足によるエネルギー損失

スチームトラップの故障時期を、外観や使用年数だけで完全に予測するのは難しいのが現状です。漏れが発生しても蒸気使用設備が運転を続けられる場合があるため、異常が生産トラブルとして表面化せず、エネルギーロスだけが続いてしまうこともあります。

そのため、故障してから交換する事後保全だけでは、漏れの発見が遅れる可能性があります。点検不足による損失を防ぐには、まずすべてのスチームトラップを台帳化して、以下を管理しなければなりません。

  • 設置場所
  • 形式
  • 口径
  • 使用圧力
  • 用途
  • 点検結果
  • 修理履歴
  • 交換履歴

そのうえで、目視、温度測定、音響・超音波診断などを組み合わせ、定期的に作動状態を確認することが望ましいといえます。

なお、交換時期を使用年数だけで決めてしまうと、まだ正常に機能するトラップまで交換することになってしまううえに、早い時期に故障した個体を見逃すリスクがあります。

点検結果と運転条件に基づいて修理または交換の優先順位を決め、蒸気漏れの大きい箇所や生産への影響が大きい箇所から対応することが、エネルギー損失を効率的に抑える方法です。

スチームセーバーとは

スチームセーバーは、一般的な作動型スチームトラップのように、弁体を自動で開閉してドレンを間欠的に排出する方式ではありません。内部の柱状孔からドレンを連続的に排出し、孔の出口をドレンで水封状態に保つことで、生蒸気だけが高速で流出することを抑える構造です。

可動式の弁体を持たない柱状孔式のスチームトラップで、ドレンを連続的に排出する点が特徴です。この構造により、ドレンを滞留させずに排出しながら、ドレンに伴って流出する蒸気を抑えることができます。

既存スチームトラップの蒸気ロスやCO₂排出量、見直せていますか?

スチームトラップの不具合は、蒸気漏れやドレン排出不良を招き、燃料使用量やCO₂排出量の増加につながる場合があります。既存トラップの劣化や不具合、点検・交換の負担が気になる場合は、長期耐久型スチームトラップ「スチームセーバー」への置き換えも選択肢の一つです。

スチームセーバーについて詳しく見る

スチームセーバーがCO₂削減につながる仕組み

スチームセーバーを導入することでCO₂削減につながる理由は、生蒸気の不要な流出を抑えやすくなるからです。蒸気の流出量が減れば、蒸気損失を補うためのボイラー負荷が減り、燃料消費量を抑えられます。

重油や都市ガスなどの化石燃料を使用するボイラーでは、燃料の燃焼に伴ってCO₂が排出されます。そのため、スチームセーバーの導入によって蒸気損失と燃料使用量を削減できれば、CO₂排出量の削減につながるのです。

スチームセーバーの導入効果を検証する方法

スチームセーバーはCO₂削減効果が期待できる設備であるものの、「導入して終わり」ではありません。導入したうえで、きちんと検証し、実際の効果や課題について確認する必要があります。

具体的に、どのようにスチームセーバーの導入効果を検証したらいいのか、以下で詳しく解説していきます。

比較条件と計測範囲を定める

スチームセーバーの導入効果は、導入前後のエネルギー使用量を比較して評価することが可能です。導入前を基準期間、導入後を評価期間として蒸気(または燃料)の使用量を測定し、生産量や稼働時間などの条件差を補正したうえで、削減量を求めましょう。

また、スチームセーバー以外の省エネ対策を同時に実施すると、個別の効果を判別しにくくなります。検証を始める前に、対象とする配管や設備、計測項目、比較期間、補正方法を定め、計測範囲を明確にすることが重要です。

導入前後の蒸気使用量を比較する

蒸気流量計を設置している場合は、対象設備または対象系統の蒸気使用量を導入前後で比較してみましょう。蒸気流量計は、システムが必要とする蒸気量の把握や、ボイラー性能の評価などで活用することが可能です。比較する際には、同じ計測地点と集計期間を使用し、計器の設定や補正条件も統一してください。

短時間の測定値だけでは、起動時の負荷や生産変動の影響を受けやすいため、通常の操業状態を含む一定期間の積算値で比較することが適切です。併せて、蒸気圧力、運転時間、ドレン量、生産設備の稼働状況を記録しておくと、蒸気使用量が変化した原因を検証しやすくなるでしょう。

エネルギー原単位で比較する

生産量が変動する現場では、燃料使用量の総量だけを比較すると、スチームセーバーの効果を正しく判断できないため注意が必要です。

実際、仮にスチームセーバーを導入した後に燃料の使用量が減っていても、実際には生産量の減少が原因である可能性があります。逆に、生産量の増加によって燃料使用量が増えていても、生産量当たりでは改善している場合もあるでしょう。

そのため、燃料使用量を製品の生産量、処理量、稼働時間などで除した「エネルギー原単位」を算出することが重要です。例えば、製品1トン当たりの燃料使用量を導入前後で比較すれば、操業規模の違いを考慮しながらエネルギー効率の変化を確認できます。適切な検証のためにも、まずは運転条件を整理しましょう。

環境負荷低減を継続するための蒸気管理のポイント

スチームセーバーは、既存スチームトラップの蒸気漏れやドレン排出不良を見直す選択肢の一つです。ただし、蒸気設備全体の環境負荷を継続的に低減するには、スチームセーバー以外の部分にも目を向け、蒸気管理を継続することが重要です。ここからは、環境負荷の低減を維持・向上させるためのポイントについて解説します。

蒸気設備を定期的に点検する

蒸気設備の点検では、配管やバルブ、フランジ、保温材、ドレン回収設備などを含めて状態を確認しましょう。スチームトラップが正常でも、配管接続部から蒸気が漏れていたり、保温材が脱落していたりすると、蒸気システム全体ではエネルギーロスが発生します。

スチームセーバーを使用する場合にも、可動式の弁体を持たないことを理由に点検を省略せず、ドレンの排出状況、外部漏れ、ストレーナーの状態、閉塞の兆候などを確認することが重要です。

なお、点検頻度は、すべての設備で一律に決めるのではなく、蒸気圧力、運転時間、異物の混入状況、生産への影響度などに応じて設定しましょう。

導入後も蒸気使用量と燃料使用量を記録する

省エネ効果の変化を把握するためにも、導入時の測定だけでなく、導入後も蒸気使用量とボイラーの燃料使用量を継続して記録しましょう。あわせて、生産量や運転時間、蒸気圧力、ボイラーの運転台数なども記録しておくと、エネルギー使用量が変動した原因を分析しやすくなるためおすすめです。

生産量が変動する現場であれば、燃料の使用量の総量だけでなく、製品1トン当たりや処理量1単位当たりの燃料使用量など、エネルギー原単位も確認してください。総量と原単位を併用することで、生産量の増減による影響と、設備効率の変化を区別できます。

記録したデータは、月単位や年度単位で集計するだけでなく、過去の実績や基準値と比較しましょう。蒸気使用量が増加した場合や、燃料原単位が悪化した際には、スチームトラップの不具合、蒸気漏れ、保温材の損傷、ボイラー効率の低下などを調査することも重要です。

設備改善を継続して省エネ効果を維持する

蒸気管理では、設備導入だけで対策を済ませるのではなく、点検結果とエネルギーデータを基に改善を繰り返すことが重要です。例えば、蒸気漏れの補修やドレン回収率の向上、蒸気圧力の適正化、ストレーナーの清掃など、設備の状態に応じた対策が必要といえます。

改善策については、推定される蒸気の損失量のほか、生産への影響、施工費、投資回収期間などを踏まえたうえで優先順位を決めることが大切です。実施後は、蒸気使用量や燃料原単位を再度確認し、想定した効果が得られているかを検証しましょう。

スチームセーバーの導入が適しているケース

スチームセーバーの導入が適しているケースとして、挙げられるのは以下の通りです。

  • 蒸気輸送配管の中間部や末端部で、一定量のドレンが継続的に発生している
  • 既設のスチームトラップから蒸気漏れが発生している
  • スチームトラップの故障や交換が繰り返されている
  • 可動部の摩耗や固着による性能低下を抑えたい
  • スチームトラップの点検・交換にかかる保全負担を軽減したい
  • 蒸気漏れを抑え、ボイラーの燃料使用量やCO₂排出量を削減したい
  • 蒸気圧力、差圧、背圧およびドレン量が製品の使用条件に適合している
  • 蒸気損失の大きい系統から試験導入し、効果を検証したい
  • 導入効果を確認しながら、ほかの蒸気配管へ段階的に展開したい

スチームセーバーを導入することで、環境負荷の低減はもちろんのこと、コスト削減や現場の負担軽減、安全性の向上なども期待できます。

上記のケースに該当する場合には、一度スチームセーバーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

蒸気設備の環境負荷を低減するには、蒸気漏れやドレン滞留を防ぎ、ボイラーで発生させた熱エネルギーを無駄なく利用することが重要です。特に、既存スチームトラップの不具合は、蒸気ロスや燃料使用量の増加につながりやすいポイントです。

現在使用しているスチームトラップで、蒸気漏れ、ドレン排出不良、点検・交換の負担が気になる場合は、長期耐久型スチームトラップ「スチームセーバー」への置き換えも選択肢の一つです。

既存スチームトラップの交換・更新に 長期耐久型トラップ「スチームセーバー」

蒸気ロス削減・省エネ対策・CO₂排出量の見直し・メンテナンス負荷軽減をサポートします。

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