山口県のプラント設備定修専門会社 | 協和機工株式会社

Column 技術・業界コラム

技術・業界コラム 技術・業界コラム

ウォーターハンマーとは?原因と予防法について解説

2026.08.21

蒸気管理

配管内から突然「ドン」「ガン」といった大きな衝撃音が発生する現象に悩む現場担当者は少なくありません。その原因の一つとして考えられるのは「ウォーターハンマー」と呼ばれる現象です。

日常的に衝撃音が生じているにも関わらず見過ごされやすい現象ですが、繰り返し発生すると、配管やバルブ、ポンプなどの設備に負荷がかかり、漏水や機器の故障、生産ラインの停止につながる恐れがあります。

そこで、この記事では、ウォーターハンマーの主な原因や放置するリスク、具体的な予防法について解説します。

ウォーターハンマーとは

ウォーターハンマーとは、配管内を流れる水が急激に停止したり、流速が大きく変化したりした際に、配管内部の圧力が瞬間的に上昇する現象です。「水撃作用」とも呼ばれ、発生時には配管やバルブ付近から「ドン」「ガン」といった衝撃音が聞こえることがあります。

流れていた水は進み続けようとするため、行き場を失った水の運動エネルギーが圧力波となって配管や継手、ポンプなどに衝撃を与えるのです。その結果、配管内で振動や騒音が発生するといった仕組みです。

ウォーターハンマーは住宅の給水設備だけでなく、工場の生産設備、ビルの給排水設備、空調設備など、液体を扱うさまざまな配管で発生するリスクがあります。軽微な場合は一時的な音や振動にとどまりますが、繰り返し発生すると、配管接続部の緩みやバルブの損傷、漏水、ポンプの故障などにつながる恐れがあるため注意が必要です。

ウォーターハンマーの種類

一口にウォーターハンマーといっても、大きく2種類に分けられます。それが「急激な圧力の上昇で生じるタイプ」と「水柱分離で生じるタイプ」です。

ここからは、それぞれのウォーターハンマーについて解説します。

急激な圧力上昇で生じるウォーターハンマー

配管内を流れていた水が急にせき止められると、水の運動エネルギーが圧力エネルギーに変わり、配管内の圧力が瞬間的に上昇します。この圧力変動が波となって配管内を伝わり、配管やバルブを振動させることで、衝撃音が発生するのです。

特に、水の流れが速い配管や配管距離が長い設備では圧力変動が大きくなりやすく、配管の曲がり部、分岐部、支持部などに強い負荷がかかることがあります。

水柱分離で生じるウォーターハンマー

水柱分離によるウォーターハンマーは、ポンプの急停止などによって配管内の圧力が急激に低下し、連続していた水の流れが一時的に分離することで発生します。圧力が水の飽和蒸気圧を下回ると空洞が生じ、その後、分離した水柱が再び衝突する際に大きな圧力上昇や衝撃が発生します。

この現象は、停電や機器異常によるポンプの緊急停止、高低差の大きい配管、長距離の送水管などで起こりやすいのが特徴です。水柱が再結合する際の衝撃は大きくなる場合があり、配管の変形や破損、継手からの漏水、ポンプや計器類の故障につながる可能性があります。

ウォーターハンマーの原因

ウォーターハンマーの原因は、多岐にわたるものの、一般的には「ポンプ」「バルブ」「滞留しているドレン」などが関係していることがほとんどです。

ここからは、ウォーターハンマーの主な原因について解説します。

ポンプの急起動・急停止(停電等の異常時含む)

ポンプを急に起動すると、停止していた流体が短時間で加速し、配管内の圧力が急上昇することがあります。反対に、運転中のポンプが急停止すると、流れていた流体が慣性によって移動を続けるため、ポンプ付近の圧力が急激に低下します。

特に停電や非常停止、機器の故障などによってポンプが予期せず停止した場合は、圧力変動を制御できず、ウォーターハンマーが発生しやすくなるでしょう。配管の条件によっては、水柱分離が起こり、分離した水柱が再結合する際に大きな衝撃が生じることもあります。

また、ポンプの停止後に逆流が発生し、逆止弁が急に閉じることで衝撃が加わるケースもあります。長距離配管や高低差の大きい配管、大流量を扱う設備では、圧力変動が大きくなりやすいため注意が必要です。

電磁弁や自動弁などバルブの急速な開閉

電磁弁や自動弁などが短時間で開閉すると、配管内の流速が急激に変化し、圧力波が発生します。特にバルブを急に閉じた場合、流れていた液体が行き場を失い、そのエネルギーが「圧力エネルギー」となります。

電磁弁は応答速度が速いため、生産設備や給水設備、洗浄設備などでウォーターハンマーの原因になりやすい機器です。自動制御されるバルブも、閉止時間の設定が短すぎると、配管や継手、計器類に大きな負荷を与えるリスクがあります。

ただ、バルブを急に開いた場合も、液体の流れが急加速して圧力変動や配管の振動が生じることがあるため注意しましょう。つまり、弁の種類だけでなく、開閉速度や作動タイミング、設置位置を含めて確認することが重要といえます。

配管設計時の流速設定・管径選定のミス

配管内の液体の流れが速いと、ポンプやバルブの動作に伴う圧力変化が大きくなり、ウォーターハンマーが発生しやすくなります。必要な流量に対して管径が小さすぎる場合は流れが速くなり、配管や継手に加わる衝撃も大きくなるものです。

とはいえ、ウォーターハンマーは配管の太さだけでなく、配管の長さや高低差、曲がりや分岐の数、使用するバルブの特性なども圧力の変動に影響します。配管の支持が不十分な場合は、圧力波による振動が増え、騒音や設備損傷につながることもあります。

設計段階では、通常運転時の流れだけでなく、ポンプの起動・停止時やバルブの開閉時、停電などの異常時も想定することが重要です。

配管内におけるドレンの滞留

蒸気配管では、蒸気が放熱によって凝縮し、ドレンと呼ばれる凝縮水が発生します。このドレンが配管内に滞留した状態で高速の蒸気が流れると、ドレンが蒸気に押されて、バルブや曲がり部、配管の末端などに衝突することがあります。

また、高温の蒸気と低温のドレンが接触すると、蒸気が急速に凝縮して局所的な圧力低下が起こり、周囲のドレンが勢いよく移動します。これによって強い衝撃音や振動が発生する現象は、一般にスチームハンマーとも呼ばれます。

ドレンの滞留は、配管勾配の不足、スチームトラップの故障や能力不足、ドレン排出箇所の配置不良などによって発生します。特に、既存のスチームトラップで排出不良や蒸気漏れが起きている場合、ドレンが配管内に残り、ウォーターハンマーのリスクを高める可能性があります。

そのため、蒸気配管でドレン滞留が疑われる場合は、配管条件だけでなく、現在使用しているスチームトラップの状態やメンテナンス負荷を確認することも重要です。既存トラップの劣化や不具合、点検・清掃・交換のしにくさが課題となっている場合は、交換・更新を検討することも有効です。

ドレン滞留によるトラブル対策に、既存トラップの見直しを

協和機工では、既存スチームトラップの交換・更新に対応する長期耐久型スチームトラップ「スチームセーバー」を取り扱っています。蒸気漏れやドレン排出不良、メンテナンス負荷の見直しをご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。

既存トラップの見直しについて相談する

ウォーターハンマーによるリスク

ウォーターハンマーにはさまざまなリスクが存在します。「騒音はあるものの正常に使用できている」と改善が後回しにされやすいものの、現場のさまざまなリスクを招く恐れがあるため注意が必要です。

ここからは、ウォーターハンマーによるリスクについて、詳しく解説していきます。

配管の破裂・フランジ部からの漏洩でラインが停止する

ウォーターハンマーで配管内の圧力が急激に上昇すると、配管本体や継手、溶接部、フランジ部などに大きな負荷がかかります。設計圧力を超える圧力が発生した場合や、腐食・経年劣化が進んでいる場合には、配管の亀裂や破裂が起こる可能性もあるでしょう。

配管から液体が漏れると、安全確保や復旧作業のために設備を停止しなければなりません。生産設備であれば、該当する配管系統だけでなく、前後の工程を含むライン全体の停止につながる場合もあります。

さらに、漏れた液体の回収や周辺設備の清掃、破損箇所の交換、原因調査などが必要となり、復旧までに長時間を要することもあります。設備停止による生産損失や納期遅延を防ぐためにも、日常点検で漏れや振動、異音の兆候を早期に把握することが重要です。

ポンプ、バルブ、計装機器(流量計・圧力計)などが破損する

ウォーターハンマーによる圧力波は、配管だけでなく、配管に接続されたポンプやバルブ、流量計、圧力計などにも伝わります。急激な圧力変動や振動が繰り返されると、機器内部の部品やシール、接続部が損傷するかもしれません。

ポンプでは、ベアリングやメカニカルシール、羽根車などに負荷がかかり、異音や漏れ、性能低下を引き起こすことがあります。バルブでは、弁体や弁座、駆動部が損傷し、正常に開閉できなくなる場合もあるでしょう。

流量計や圧力計などの計装機器が損傷すると、正確な測定値を取得できず、設備の制御や異常検知に支障をきたします。表示上は運転を継続できているように見えても、実際には流量や圧力が適正範囲を外れている可能性があるため、ウォーターハンマー発生後は周辺機器を含めた点検が必要です。

配管支持金具が落下する

ウォーターハンマーが発生すると、配管が大きく揺れたり、位置がズレたりすることがあります。この衝撃が配管支持金具やボルト、アンカーに伝わると、締結部の緩みや変形、破損が生じる可能性があるため大変危険です。

特に、高所に設置された配管や重量のある大口径配管では、支持金具が外れると、金具や配管部材が落下する危険があります。また、一部の支持部が損傷することで、残った支持部に荷重が集中し、連鎖的に破損するケースも考えられます。

配管支持金具は外観上の異常を確認しにくい場合もあるため、異常振動や衝撃音が発生した際には、配管本体だけでなく、支持間隔や固定状態、ボルトの緩み、アンカー部の損傷なども確認する必要があります。

重大な労働災害につながる

ウォーターハンマーによる配管や機器の破損は、作業者の負傷を伴う重大な労働災害につながる恐れがあります。破損した配管や支持金具の落下、部品の飛散、漏洩した流体への接触などが主な危険要因です。

蒸気や高温の液体を扱う設備では、漏れた流体によって重度のやけどを負うリスクがあります。また、薬品や可燃性の流体、有害物質を扱う配管では、中毒や火災、爆発、環境汚染に発展する危険もあるでしょう。

ウォーターハンマーは、設備から発生する衝撃音として認識されることが多いものの、騒音だけの問題ではありません。作業者の安全を確保するためにも、異音や振動は「設備の異常」として認識し、運転条件の見直し、配管や機器の点検、必要な安全装置の設置を行いましょう。

ウォーターハンマーの予防・対策

ウォーターハンマーは現場に負担や危険を招く要因です。そのため、予防・対策を徹底する必要があります。

ここからは、ウォーターハンマーの予防や対策の方法について解説します。

バルブの開閉速度調整やポンプのインバータ制御を行う

バルブを急速に開閉すると、配管内の流速が短時間で変化し、強い圧力波が発生します。そのため、開閉時間を長く設定できる自動弁や制御弁を使用し、流量を段階的に変化させることが重要です。

電磁弁のように動作速度が速い機器を使用する場合は、開閉速度を調整できる機種への変更や、バルブ付近への水撃防止器の設置を検討しましょう。複数の自動弁を使用する設備では、弁が同時に作動しないように制御タイミングをずらす方法もあります。

ポンプについては、インバータを用いて回転数を徐々に上昇・低下させることで、起動時や停止時の急激な流量変化を抑えられます。ソフトスタートやソフトストップを適切に設定すれば、通常運転時のウォーターハンマー低減に有効です。

適切にスチームトラップを配置し、ドレンを排出する

ウォーターハンマーを防ぐためにも、発生したドレンを速やかに排出できる設備構成が必要です。

スチームトラップを選定・更新する際は、ドレンの発生量や蒸気圧力、背圧、運転条件などを確認し、十分な排出能力を持つ機種を採用することが重要です。能力が不足している場合や、使用条件に適さない形式を選定した場合は、正常に作動していてもドレンが滞留する可能性があります。

また、設置位置だけでなく、点検・清掃・交換のしやすさも重要な確認ポイントです。メンテナンスしにくいトラップは、不具合の発見が遅れやすく、ドレン滞留や蒸気ロスにつながる可能性があります。

既存トラップの排出性能やメンテナンス負荷に課題がある場合は、長期耐久性やメンテナンス負荷の低減を考慮した製品への置き換えも選択肢の一つです。協和機工では、主管・トレース管向けの長期耐久型スチームトラップ「スチームセーバー」を取り扱っています。

適正な流速の確保と配管レイアウトを適切な形にする

必要流量に対して配管の直径が小さすぎる場合は、管径を見直し、用途や流体特性に応じた適正な流速を確保する必要があるでしょう。

配管レイアウトでは、急激な方向転換や不必要な分岐を減らし、圧力波や振動が局所的に集中しにくい構造とします。高低差の大きい配管では、負圧や水柱分離が発生しないよう、空

気弁やサージ対策設備の設置も検討してください。

また、配管の最高部に空気が滞留すると、流れが不安定になり、圧力変動を引き起こす場合があります。適切な位置に空気抜き弁を設置し、配管内の空気を排出できるようにすることが重要です。

ウォーターハンマー対策を専門業者に相談するメリット

ウォーターハンマーは、ポンプ、バルブ、配管設計、ドレン滞留など複数の要因が関係して発生します。原因によって必要な対策は異なるため、現場の状況に応じて専門業者へ相談することも有効です。

特に蒸気配管におけるドレン滞留が疑われる場合は、既存スチームトラップの排出性能や劣化状況、メンテナンス性を確認することで、トラブルの予防につながる場合があります。

専門業者に相談することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 発生原因の切り分けがしやすくなる
  • 蒸気配管内のドレン滞留リスクを確認しやすくなる
  • 既存スチームトラップの劣化や不具合を把握しやすくなる
  • 交換・更新の必要性を判断しやすくなる
  • メンテナンス負荷や点検性の見直しにつなげやすくなる
  • 配管や周辺機器の異音・振動・漏れの兆候を早期に把握しやすくなる

まとめ

ウォーターハンマーは、ポンプの急起動・急停止、バルブの急速な開閉、配管条件、蒸気配管内のドレン滞留など、さまざまな要因によって発生する現象です。放置していると、配管の破裂やフランジ部からの漏洩、ポンプ・バルブ・計装機器の破損、支持金具の落下などにつながる恐れがあります。

場合によっては、重大な設備トラブルや労働災害につながる可能性もあるため、異音や振動が発生している場合は、原因を切り分けたうえで早めに対策を検討することが重要です。

特に、ウォーターハンマーの原因が蒸気配管内のドレン滞留にある場合は、既存スチームトラップの排出性能や劣化状況、メンテナンス性の見直しが有効な対策につながることがあります。

現在使用しているスチームトラップで、蒸気漏れ、ドレン排出不良、点検・清掃・交換のしにくさが気になる場合は、長期耐久型スチームトラップ「スチームセーバー」への置き換えも選択肢のひとつです。

既存スチームトラップの交換・更新に、長期耐久型トラップ「スチームセーバー」

蒸気ロス削減・省エネ対策・メンテナンス負荷軽減をサポートします。

スチームセーバーを見る

ご質問・ご相談など、なんでもお気軽にご連絡ください。

お問い合わせはこちら
お問い合わせ
0835-52-1296

(受付時間 8:00~17:00)

サービス紹介トップ
協和機工の強みトップ
情報発信
会社概要トップ