Column 技術・業界コラム
2026.09.24
Flukeの音響イメージング機器には、スマートフォンに接続して手軽に使える「ii01」、エア漏れだけでなく部分放電や機械異常の診断にも対応する「ii915」、微小な漏れや広い設備を本格的に調査できる「ii1020C」などがあります。
いずれも音を画像として表示できる機器ですが、携帯性、検出性能、診断機能、レポート作成能力は大きく異なります。
この記事では、それぞれの特徴と適した用途を比較し、「自社の日常点検に使いたい」「保全部門で高度な設備診断を行いたい」「専門業者によるエア漏れ検査を依頼したい」といった目的別に選び方を解説します。

【画像1を挿入:3機種比較アイキャッチと同系統の横長画像】
選定の目安を簡潔にまとめると、次のようになります。
| 機種 | 適した使い方 | 主な利用者 |
|---|---|---|
| Fluke ii01 | 日常巡回でエア漏れ箇所を手軽に探す | 製造現場、設備担当者、初めて導入する工場 |
| Fluke ii915 | エア漏れ、部分放電、機械異常を1台で高度に診断する | 保全部門、電気保安担当、設備診断担当 |
| Fluke ii1020C | 微小漏れや広範囲を高感度に調査し、結果を記録・報告する | 専門検査会社、大規模工場、研究・品質保証部門 |
ii01は「現場でいつでも使える手軽な点検ツール」、ii915は「複数の設備異常を診断する高性能機」、ii1020Cは「本格的な漏れ・気密性検査に適した専門機」と考えると分かりやすいでしょう。

Fluke ii01は、AndroidスマートフォンまたはHarmonyOS端末のUSB Type-C端子へ直接接続して使用する小型の音響カメラです。
本体重量は約50gで、16個のMEMSマイクを搭載。2kHz~48kHzの周波数帯に対応し、圧縮空気やガスの漏れ、気密性の確認、異音の発生箇所の特定に使用できます。
専用機器を持ち歩かなくても、対応スマートフォンとii01があれば、その場で画像や動画を記録して共有できます。設備担当者が日常巡回の中で「漏れている可能性がある場所」を見つける用途に適しています。
一方で、ii01は手軽さと導入しやすさを重視したモデルです。工場全体の漏れ量を集計したり、年間の電力損失額やCO₂排出量まで算出したりする専門検査とは役割が異なります。

【画像2を挿入:ii01による日常点検】
画像キャプション:Fluke ii01をスマートフォンに接続した日常点検のイメージ
Fluke ii915は、64個のデジタルMEMSマイク、7インチのタッチパネル、2kHz~100kHzの周波数帯を備えた高性能な音響イメージャーです。環境条件によりますが、検出距離は0.5mから最大120m以上とされています。
エアやガスの漏れを検出するLeakQ™に加え、部分放電を評価するPDQ Mode™、回転機器などの機械的な異常音を検出するMecQ™を搭載していることが大きな特徴です。
そのため、圧縮空気の省エネ点検だけでなく、受変電設備、コンベヤー、モーターなどを含めた予知保全・状態監視に活用できます。
ii01よりも高性能ですが、目的は単なる「漏れ探し」に限りません。エア漏れ、電気設備、回転機器を横断して保全レベルを高めたい工場に適しています。

【画像3を挿入:ii915による設備診断】
画像キャプション:Fluke ii915を活用した工場設備の高度診断イメージ
Fluke ii1020Cは、202個のデジタルMEMSマイクと7インチのタッチパネルを搭載した、高感度な音響イメージャーです。周波数帯は最大100kHz、作動距離は環境条件により0.5m~120mとされています。
高感度の音響イメージングにより、低圧・低密度ガスや微小な漏れの検出、設備の気密性確認などに適しています。13メガピクセルの可視光カメラ、128GBの保存容量を備え、画像・動画の記録、注釈、資産IDの管理、機器上でのレポート生成にも対応しています。
本体はタブレット型の一体構造で、重量は約1.2kg、防塵・防水性能はIP54です。広い工場や多数の設備を調査し、結果を整理して報告する本格的な検査に向いています。

【画像4を挿入:ii1020Cによる本格検査】
画像キャプション:Fluke ii1020Cを活用した本格的なエア漏れ検査のイメージ
| 比較項目 | Fluke ii01 | Fluke ii915 | Fluke ii1020C |
|---|---|---|---|
| 基本形状 | スマートフォン接続型 | 7インチ一体型 | 7インチ・タブレット型一体機 |
| マイク数 | 16個 | 64個 | 202個 |
| 周波数帯 | 2~48kHz | 2~100kHz | 2~100kHz※ |
| 検出距離 | 0.5~50m | 0.5~120m以上 | 0.5~120m |
| 可視光カメラ | 2MP | 5MP | 13MP |
| 重量 | 約50g(本体) | 約2.05kg | 約1.2kg(バッテリー含む) |
| 主な診断機能 | 漏れ検知、異音箇所確認 | LeakQ™、PDQ Mode™、MecQ™ | 漏れ量・漏れコスト推定、部分放電、気密性検査 |
| 主な用途 | 日常点検 | 総合的な設備診断・予知保全 | 高感度な漏れ検査・検査記録・報告 |
※ii1020Cの対応周波数帯や機能は販売地域・仕様により異なる場合があります。導入前に最新仕様をご確認ください。検出距離はいずれも現場環境や漏れの条件によって変化します。
自社で機器を購入するか、専門会社へ検査を依頼するかは、求める成果によって決まります。
日常点検で漏れ箇所を発見し、その都度補修する運用を作りたい場合は、ii01の導入が有効です。現場担当者が手軽に使えるため、継続的な漏れ対策を社内に定着させやすくなります。
一方、工場全体の漏れ状況を短期間で調べ、漏れ量、年間電力量、年間損失額、CO₂排出量まで数値化したい場合は、専門的なエア漏れ検査サービスが適しています。
協和機工のエア漏れ検査サービスでは、ii01ではなく、用途に応じた高性能機器を使用して調査します。検出箇所を特定するだけでなく、補修の優先順位を検討できるレポートとして提出します。
なお、使用機器の性能には検出限界があり、現場条件によっては微量な漏れを検知できない場合があります。
重要なのは、単純に最も高性能な機種を選ぶことではなく、点検の頻度、対象設備、社内の運用体制、必要な報告内容に合った方法を選ぶことです。
協和機工はFLUKE製品の総合店として、Fluke ii01をはじめ、用途に応じた音響イメージング機器の選定・導入をサポートしています。購入後のサポートにも対応しています。
また、機器の販売だけでなく、工場全体を対象としたエア漏れ検査、損失額・電力量・CO₂排出量の数値化、改善に向けた報告書作成まで全国で対応しています。
「自社にはどの機種が合うのか」「機器を購入するべきか、まず検査を依頼するべきか」など、お気軽にご相談ください。
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