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Column 技術・業界コラム
2024.09.03

エアーを供給するのにスクロールコンプレッサーの導入を検討している事業所も多いでしょう。スクロールコンプレッサーは高い圧縮率を誇り、振動や騒音を抑える優れた圧縮機です。
ただし、スクロールコンプレッサーにも欠点があります。それがどのようなものなのか見当がつかない人もいるでしょう。
メリットがあるスクロールコンプレッサーですが、用途に合わせてデメリットもしっかり押さえていくことが大切です。
圧縮された空気を供給するのに、トルクが微変動であることから振動や騒音が少ないのがスクロールコンプレッサーの特徴です。
ただし問題点はあるため、何が欠点となるのか理由を見ていきましょう。
スクロールコンプレッサーは、渦巻状にかみ合う2つのスクロールによって空気を圧縮し、中心から吐出します。
中心の軸が小さくなるほど高品質の空気を送り込むことが可能で、そのためには正確な圧縮運動が必要です。
これにはスクロールコンプレッサーにおける各部品に対し、数十ミクロン単位での加工精度が重要で、面粗さ・加工寸法・同軸度・平行度が求められます。組立精度もズレが生じないように高精度の技術や品質が必要となります。
購入するスクロールコンプレッサーには、メーカーのモデルによって違いもありますが、品質精度を満たしていないと設備が非常停止状態となる危険性もあるでしょう。
スクロールコンプレッサーは高い圧力をかけるので、中心部になるほど熱が溜まってしまいます。
高温のままになると部品の摩耗や劣化につながり、寿命が短くなる恐れがあるでしょう。そのまま放置するとコンプレッサーが故障するので注意が必要です。
空冷式の冷却法は、冷却ファンから風を送り込み、熱を拡散する役割があります。コンプレッサーの稼働状況に合わせてファンの負荷を変えられるのが「可変速ファン」で、制御が可能です。
スクロールコンプレッサーはシンプルな構造となっているレシプロ型と違い、初期導入コストが高い面がデメリットです。
また、冷却方式やスクロールユニット、オイル管理にも対応する必要があります。
メンテナンスコストを抑えるためには、コンプレッサーの定期検査が重要です。協和機工株式会社の「エア漏れ検査サービス」は、音を可視化する超音波カメラを使用するため、精度の高い検査が可能です。定期的な検査を実施することで、長期的なメンテナンスコストを抑えられるようになります。
スクロールコンプレッサーはデメリットが目立つわけではありません。騒音や振動、省スペースの活用といった優れた設計で開発されています。それぞれ見ていきましょう。
従来のコンプレッサーでは吸気弁や排気弁が開閉するタイミングで騒音が発生していました。
スクロールコンプレッサーは固定スクロールの周囲を、旋回スクロールが連続運動することによって空気が中心に圧縮されていくのが特徴です。連続運動をするので弁の開閉が不要となり、スクロールコンプレッサーの騒音を抑えられます。
また、スクロールの動きによって従来のコンプレッサーよりも低振動を採用しているのもメリットです。
スクロールコンプレッサーはモーターや制御装置をコンパクトに一体化しており、振動も微小なので床面積を気にせず本体を簡単に設置可能です。
振動が少ないと他の機器に隣接して設置しても問題がないため、作業スペースを心配する必要はないでしょう。
スクロールコンプレッサーの空冷式の冷却方法だと、低い温度の冷却水を循環させる水冷式と違ってスペース的に邪魔になりません。
さらに、壁掛けの設置が可能なタイプもあります。容量や形状の違いはあるものの、コンパクトな設置方法は魅力的です。
省スペースで設置できるので、スクロールコンプレッサーは、複数搭載することも可能です。複数台設置することでシステム全体の負荷を軽減できるため、コンプレッサーの負担も緩和されます。
時間帯により負荷が異なる場合もあり、日中の通常運転は2台にして夜間は1台のみという使い分けも可能です。省エネルギーで効率よく機能していますし、万が一1台が部分的に故障してもシステムを止める必要がありません。
スクロールコンプレッサーをローテーションすることで、コンプレッサーの寿命も延ばせるでしょう。
異音や振動を抑える機構的特徴を持つスクロールコンプレッサーは、工場の産業用機械や空調システム、医療機器などに幅広く活用されています。
基本構造や主な用途について説明しましょう。
基本的には2つのスクロールとクランクシャフト、排気口で構成されています。
スクロールコンプレッサーの主な用途としては「産業機械」「空調システム」「医療機器」「冷凍システム」などがあります。
スクロールコンプレッサーの紹介をしてきましたが、パッケージコンプレッサーとは圧縮方法と騒音値に違いがあります。両者の違いを比較していきましょう。
スクロールコンプレッサーは固定と旋回のスクロールを活用して空気を圧縮し、中心から出力します。弁を必要とせず、連続で安定した空気を供給することが可能です。
パッケージコンプレッサーはシリンダ内部のピストンが往復動作をすることで圧縮していき、弁を開閉して押し出していきます。パッケージコンプレッサーはエアタンクによって安定した圧力の維持が可能です。
どちらが優れているかは使用する装置の規模や用途、性能、コストなどによって検討します。
コンプレッサーの騒音値はデシベルで計測し、設置する現場の範囲によって周囲の騒音の方が高い場合もあるでしょう。
参考として、一般的な会話レベルだと約60デシベルになります。製品や価格によって異なりますが、一般的なコンプレッサーは62〜70デシベルの騒音値となり、周囲で会話すると聞こえづらいレベルです。
パッケージコンプレッサーは50〜60デシベル程度の騒音値となり、一般的なコンプレッサーよりは軽減されています。
一方、スクロールコンプレッサーは40〜50デシベル程度です。さらに低い騒音値を実現しており、運転中も静かなコンプレッサーで最適な作業エリアを提供できることが分かります。
スクロールコンプレッサーはスクロールによる摩耗を防ぐためにオイルを潤滑させ、コンプレッサーの寿命を長持ちさせます。
一方でメンテナンスもしなければなりませんし、圧縮した空気にオイルが混入する可能性も否定できません。これらのよくある質問を紹介します。
スクロールコンプレッサーは種類や容量、設置場所の条件、メンテナンスによって違いがあるものの、おおむね1万5,000〜4万時間程度の寿命となります。
負荷がかかる状態で連続使用すると、摩耗や劣化も進みやすく、寿命にも影響を与えやすいでしょう。また、環境温度の変化など負荷のかかる状態だと動力が上がり、電気代の使用kWも高くなります。
定期的なメンテナンスを実施することで異常を早期発見でき、摩耗や劣化の防止が可能です。
オイルはシールとなって空気の漏れを防いでいますが、シール材は摩耗してしまうと圧縮効果が低下する恐れが生じます。
オイルフリータイプのコンプレッサーだと、オイルの混入を防げて環境面でもクリーンな圧縮空気を供給可能です。また、オイルのメンテナンスが不要のため、ランニングコストを軽減できるのもメリットでしょう。
一方で潤滑剤がないことから、負荷の高い条件だと摩耗や劣化を早めてしまうリスクがあるため注意が必要です。
スクロールコンプレッサーは高い圧縮率を誇り、低振動・低騒音を実現した省スペースで設置できるコンプレッサーです。
ただし、「高い加工・組立精度を維持」「冷却方法に工夫がいる」「初期・メンテナンスコストが高い」といった欠点があるのも事実です。
スクロールコンプレッサーとコストの低いパッケージタイプ、高精度のスクリュータイプなど異なる種類もあるので、メーカーや使用条件に合わせて選択するようにしましょう。
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