オウンドメディアTOP > 省エネ > 圧縮エアと電力を徹底管理|超音波カメラとENIMASで取り組む粉体塗装の省エネ対策

圧縮エアと電力を徹底管理|超音波カメラとENIMASで取り組む粉体塗装の省エネ対策

2025.10.01

粉体塗装工場では、品質を維持するために多くのエネルギーが使われています。
一方で、エネルギー価格の高騰やカーボンニュートラルへの対応が求められる中、
気づかないうちに発生している「ムダ」が経営を圧迫しているケースも少なくありません。

本記事では、粉体塗装工場で特に見落とされがちな
「圧縮エアのロス」と「電力使用のムダ」に着目し、
省エネ対策の考え方をご紹介します。

粉体塗装ラインに欠かせない圧縮エア

粉体塗装工程において、圧縮エアは欠かせないエネルギー源です。
主に以下のような用途で使用されています。

  • 塗装ガンおよび粉体供給
  • 塗装ブースの清掃や色替え作業
  • コンベア切替やエアシリンダーなどの駆動

品質・生産性・自動化を支える重要な役割を担う一方で、
圧縮エアは工場全体の電力消費の20〜30%を占めることもあり、
管理が不十分だと大きなコスト増につながります。

気づかないうちに発生するエア漏れ

多くの工場では、作られた圧縮エアの10〜30%が
エア漏れによって失われていると言われています。

粉体塗装工場で特に多いエア漏れ箇所は以下の通りです。

  • 塗装ガンやホースの接続部
  • 経年劣化したホースの裂けや穴
  • 継手・カプラーの緩みやシール材の劣化
  • 使用していない配管のバルブ
  • 配管や機器の老朽化によるピンホール

一つひとつは小さな漏れでも、積み重なることで
コンプレッサーの無駄な稼働を招き、
電力コストを押し上げる原因となります。

超音波カメラによるエア漏れの見える化

従来のエア漏れ点検は、音を聞いたり発泡液を使ったりする方法が一般的でした。
しかし、騒音の大きい工場内や高所では、正確な特定が難しいという課題があります。

そこで有効なのが、工業用の超音波カメラによる検査です。
エア漏れが発する人には聞こえない超音波を捉え、
漏れの位置や大きさを画面上で可視化できます。

設備を止める必要がなく、安全かつ短時間で検査できる点も特長です。

数値化することで修繕の優先順位が明確に

エア漏れ検査では、漏れ箇所を特定するだけでなく、
推定リーク量や年間の損失額、CO₂排出量を数値として算出します。

工場全体を調査すると、100箇所以上の漏れが見つかることもあります。
すべてを一度に修繕するのは現実的ではないため、
損失額に基づいて優先順位を付けることが重要です。

数値で把握することで、限られた予算の中でも
投資対効果の高い対策を進めることが可能になります。

電力のムダは見えないからこそ発生する

粉体塗装工場では、以下の設備が特に電力を多く消費します。

  • 焼付乾燥炉(硬化炉)
  • コンプレッサー
  • 空調・集塵装置
  • 搬送用コンベア

問題になりやすいのは、
製品が流れていない状態での稼働や、
負荷が少ない時間帯の運転といった
「当たり前になっているムダ」です。

電力使用状況をリアルタイムで見える化

電力のムダを改善するには、
「いつ・どの設備が・どれだけ電力を使っているか」を
正確に把握することが欠かせません。

ポータブル型の電力計測機器を活用することで、
大掛かりな工事を行わずに、
設備ごとの電力使用状況をリアルタイムで確認できます。

感覚に頼らず、データに基づいて判断することで、
待機運転やピーク電力といった課題が明確になります。

見える化と対策を組み合わせた省エネ

エア漏れや電力の見える化は、それ自体が目的ではありません。

  • 現状を把握する
  • 対策を実施する
  • 効果を再度測定する

このサイクルを継続的に回すことで、
確実なコスト削減と省エネにつながります。

実際に、エア漏れ対策と電力管理を組み合わせることで、
コンプレッサーの年間電力消費を約25%削減した事例もあります。

まとめ

エネルギー価格の上昇や脱炭素対応は、
今後も避けて通れない経営課題です。

しかし、設備更新だけが解決策ではありません。
まずは、自社の工場で「どこにムダがあるのか」を
正しく知ることが、省エネへの最も効果的な第一歩です。

定期的なエネルギー診断を通じて、
無理のない省エネと安定した工場運営を
実現していただければ幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

協和機工株式会社はYouTubeチャンネルを公開しています。

「こんな現場のエア漏れ検査動画を見てみたい」「こんな記事をつくってほしい」など、ご意見やご要望がありましたら、お問い合わせフォームや協和機工公式YouTubeチャンネル「協和機工チャンネル」の動画コメント欄から、お気軽にご連絡ください。お待ちしています!

よく読まれている記事