エアガンと屋根裏からのエア漏れ|1時間の検査でコストカットに成功した食品工場の事例
巷でも話題のエネルギー価格高騰。一般家庭への影響だけではなく、より多くのエネルギーを使う工場経営にも大きな影響を与えています。さまざまな省エネ対策を講じても、なかなか成果が見えてこないとお悩みではありませんか。
この記事では、電気代の高騰を課題としていた長崎県の食品工場が、当社の「エア漏れ検査サービス」を活用し、見過ごされていた大きなコスト損失を発見した事例を解説します。
お客様情報
- 業種:食品工場
- 所在地:長崎県
- 測定対象面積:約5,000m3
メインフロア・屋根裏:約1,000m3 - 年間稼働時間:8,760時間
- 1時間あたりの電気使用料金:20.5円/kWh
検査結果
検査結果を説明します。
検査概要
- 検査所要日数:1時間
- 漏れ箇所数:14箇所
- 漏れ量合計:152.6L/min
- 年間損失合計:290,371円
- 年間推定CO2排出量:6,597.6kg/年
見過ごせないエアガンからのエア漏れ
工場のエア漏れと聞いて、思い浮かべるのはホースではないでしょうか。しかし、ホースと並んでエア漏れが多いのが、エアガンなのです。
エアガンは人が触る回数が多いため、劣化やゆるみが生じやすく、エア漏れも発生しやすくなります。
今回の現場では、エアガンのカップリングからのエア漏れが見つかりました。カップリングなど接続部はエア漏れの頻発部位です。
エア漏れは、太い幹から一気に漏れるというより、無数の細かい枝葉から少しずつ漏れ出しているイメージです。一箇所あたりの漏れ量は小さくても、その数が多いために合計すると大きな損失となります。今回の現場で見つかったエアガンのカップリングからの漏れは、まさにこの「枝葉」の漏れの典型例と言えるでしょう。
写真:実際にエアガンからのエア漏れを検知した画面
超音波カメラなら暗所での検査も簡単
こちらの現場でもうひとつ特筆すべきは、暗所での検査ができたことです。
当社ではFLUKE社の工業用超音波カメラを活用しています。超音波カメラによるエア漏れ検査は、エアが漏れ出す際に発生する超音波(人間の耳には聞こえない周波数の音)を、搭載された多数の特殊なマイクで捉える仕組みです。捉えた音源は、実際のカメラ映像と重ね合わせてモニターに表示されるため、どこから音がしているのかを直感的に特定できます。まさに、音を「見る」ことができる最先端の技術です。
この「音を可視化する」仕組みが特に威力を発揮するのが、暗所での検査です。工場の屋根裏や地下ピット、大型機械の陰や高所の配管など、人の目が届きにくく、従来の目視点検や石鹸水によるチェックが困難だった場所でも、確実にエア漏れを発見します。光が全くない環境でも問題なく検査できるため、これまで点検自体を諦めていた箇所の診断も可能になります。
実際に、こちらの現場では照明がほとんどない工場の屋根裏で、人の感覚では気づけない微細な配管からのエア漏れを正確に特定できました。見過ごされがちだった漏れを一つ残らず洗い出すことで、工場全体の正確なエア損失量を把握できます。その結果、より効果的な修繕計画の立案と、確実な省エネ・コスト削減の実現に繋がるのです。
写真:屋根裏配管のエア漏れを検知した実際の写真
エア漏れ検査レポートで効率よく修繕が可能
当社のエア漏れ検査では、発見した全漏れ箇所の「漏れ量」と「年間損失金額」を算出し、詳細なレポートとしてご提供します。レポートの大きな特徴は、損失金額の大きい順に漏れ箇所を一覧にしている点です。これにより、修繕の優先順位づけが容易になり、お客様からも「効率的な計画が立てられる」と実用性を高く評価いただいております。
画像:実際のエア漏れ検査レポート
まとめ
エネルギー価格の高騰が続く今、これまで「当たり前」とされてきたコスト構造の見直しが、企業の収益性を大きく左右します。
工場のエア漏れ対策は、収益改善に直結する、効果的かつ即効性のあるコストカット施策です。見過ごされがちなエネルギー損失は、気づかぬうちに「垂れ流されるコスト」そのもの。この目に見えない無駄をなくすことが、利益率の改善に繋がります。
貴社の工場でどれほどのコストが無駄になっているのか、まずは専門家による診断で「年間の損失額」として正確に把握しませんか。まずはお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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