オウンドメディアTOP > エア漏れ > 1箇所で年間10万円以上の損失!微量でもインパクトの大きい水素漏れを検知した事例

1箇所で年間10万円以上の損失!微量でもインパクトの大きい水素漏れを検知した事例

2025.04.22

今回ご紹介するのは、水素ガスの漏れを検知した事例です。

当社が提供するエア漏れ検査サービスは超音波を検知する性質上、エアより極端に比重の軽い気体の検知は苦手という弱点があります。しかしこの事例では、検査対象箇所の2m以内に近づくことで水素ガスの検知に成功しました。

詳しくみていきましょう。

お客様情報

  • 業種:金属加工
  • 所在地:山口県
  • 測定対象面積:約70,000m²
  • 年間稼働時間:約8,760時間
  • 1時間あたりの電気使用料金:30.0円/kWh
  • 窒素単価:100円/1,000L

検査結果

検査結果を説明します。

検査概要

  • 検査所要日数・時間:1時間
  • 漏れ箇所数(水素):4箇所
  • 漏れ量合計(水素):8.4L/min
  • 年間損失合計(水素): 437,242円/年

水素漏れを見つけるのは困難

水素は地球上でもっとも軽い気体であり、漏れが発生しても急速に拡散するため、漏れ箇所の特定が困難です。しかも水素は無色・無臭のため、人間の感覚では検知できず、漏れに気づきにくいという特徴があります。それにもかかわらず、水素は可燃性が高く、わずかな漏れでも重大な爆発事故につながる恐れのある、やっかいなガスです。

エア漏れ検査サービスは、エア以外のガス漏れも検知できるのが強みですが、水素に関しては、前述のとおり検知が難しいのが現状です。しかし今回の現場では、水素漏れ箇所に2mほど近づくことで、水素漏れ箇所の特定ができました。

たった1時間の検査で4箇所の水素漏れを特定し、年間約44万円の損失を回避することにつながりました。

これは実際の検査画面の写真です。水素ガスのバルブ付近からガス漏れを検知していることがわかります。

使用する機材はFLUKE社の超音波センサーカメラ

協和機工が使用するのは、FLUKE社の超音波カメラです。

画面に映し出す周波数帯を選択できるため、工場稼働音とエア漏れ音の周波数の違いを利用して、エア漏れを可視化します。周波数の違いを利用していることから、気体ごとの漏れ音に合わせて周波数を設定することで、今回のように水素などのガス漏れも検知可能です。

どのように可視化されるかを解説します。7インチのLCDタッチスクリーンに可視画像と重ねてエアやガスが漏れている箇所が表示される仕組みです。工場室内全体にセンサーカメラを向けると、気体の漏れ箇所が画面上で赤色に表示されます。この赤色の箇所を画面上で大きくなるような向きに近づけることで、エアやガスが漏れている箇所に到達できるのです。

写真:水素ガスを検知した写真

検査スピードは環境にもよりますが、敷地面積10,000m³程度であれば1日で検査することも可能です。

参考:FLUKE社|超音波カメラ紹介ページ

まとめ

協和機工のエア漏れ検査サービスでは、エア以外のガス漏れも検知が可能です。エアと同様に漏れ箇所と損失金額をあわせてレポートにしてお渡しします。工場のコストカットや脱炭素に興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

協和機工株式会社はYouTubeチャンネルを公開しています。

「こんな現場のエア漏れ検査動画を見てみたい」「こんな記事をつくってほしい」など、ご意見やご要望がありましたら、お問い合わせフォームや協和機工公式YouTubeチャンネル「協和機工チャンネル」の動画コメント欄から、お気軽にご連絡ください。お待ちしています!

よく読まれている記事