稼働中だけではない!待機中のエア漏れにも要注意
夜間や休日、工場のコンプレッサーの電源はどうされていますか。「いつでも使えるように待機状態にしている」という場合、その判断が本当に効率的か、一度見直してみる必要があるかもしれません。実は、その待機時間こそが「見えないコスト」の温床となっている危険性があるのです。
この記事では、福岡県の食品機器製造工場のエア漏れ検査を通じて、待機中のエア漏れについて解説します。
お客様情報
- 業種:食品機器製造
- 所在地:福岡県
- 測定対象面積:約14,000m3
- 年間稼働時間:8,760時間
- 1時間あたりの電気使用料金:27円/kWh
検査結果
検査結果を説明します。
検査概要
- 検査所要日数:1日(8時間)
- 漏れ箇所数(エア;アルゴン;窒素):93箇所;1箇所;2箇所
- 漏れ量合計(エア;アルゴン;窒素):1241.9L/min;2.1L/min;14.2L/min
- 年間損失合計:290,371
- 年間推定CO2排出量:6,597.6kg/年
待機中のエア漏れに要注意
本件の工場は平日の日中稼働である一方、コンプレッサーは休日夜間も常に待機状態にありました。この運用体制下で配管系統にエア漏れが存在すると、設定圧力からの自然降下、すなわち圧力損失が生じます。
圧力スイッチがこの降下を検知するたび、コンプレッサーは設定圧に復帰させようと自動的に起動し、非生産時である夜間や休日にもかかわらず、不必要な負荷サイクルを繰り返します。これは生産活動に全く寄与しないエネルギー消費であり、無負荷運転時の電力も含め、大きな運用コスト損失に直結してしまいます。
写真:実際の検査画面
エアだけじゃない!アルゴンと窒素の漏れを確認
こちらの現場では、エアだけではなく、アルゴンと窒素の漏れを確認しました。アルゴンや窒素は単価が高く、少しの漏れでも大きなコスト損失となってしまいます。協和機工のエア漏れ検査サービスは、超音波カメラを使っておこないます。エア以外のガス漏れも、画面に映し出すことができるのが特徴です。窒素のような軽い気体は、空気に混ざってしまい検査が難しいとされていますが、漏れ箇所に「あたり」をつけてチェックすることで、窒素漏れも検出が可能となります。
写真:実際のエア漏れ検査画面
検査レポートで効率的な修繕が可能
合計93箇所にも及ぶエア漏れを、一度にすべて修繕するのは現実的ではありません。「どこから手をつけるべきか」という問題に直面した際に役立つのが、当社がお渡しする「エア漏れ検査レポート」です。
このレポートでは、各漏れ箇所の漏れ量や年間の損失金額を算出し、「損失金額の大きい順」に一覧化しています。これにより、修繕の優先順位が一目瞭然となり、限られた予算と時間の中で、最大のコスト削減効果を得るための効率的な修繕計画を立てることができます。
画像:実際のエア漏れ検査レポート
まとめ
家庭での省エネも待機電力を抑えることが大切だといわれるように、工場の省エネも待機中のロス削減が重要です。コンプレッサーの待機電力やエア漏れ・ガス漏れは、案外見過ごされがちです。まずは「エア漏れ検査サービス」で、現状を知ることから始めてみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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