石油化学工場の定期修理において熱交換器の開放をする際、時に起きる事象として挙げられるのがボルトが固着してしまうということです。今回の事案では、約2年間運転を続けてきた中で、その高温・高圧の運転状況により、金属の性質が変化し、結果として締付時のトルクでは解放できなくなってしまいました。
パワーレンチによるボルト開放
ボルトが絞める時よりも緩める方が力が必要となることは、プラント工事では珍しいことではありません。実際にどの程度のトルクが必要となるかは運転状況によって変わるもので、実際に緩めて見なければわからないものです。通常、1.5~2倍のトルクが出る機器は用意するものですが、今回の事案では締付時の2.5倍のトルクがなければ緩まないものでした。
協和機工では、自社で特殊工具を保有しているという強みから、現場で必要であると思われる工具を準備して乗り込みます。今回の事案でも、焦ることなく対応することができました。
施工担当より
当社はパワーレンチだけでも油圧式、エア式、電動(バッテリ)式と様々な種類を保有しています。現場に応じて、想定され得るものは全て持ち込むようにしています。
現場で最も悩ましいのは、工事が予定通り進まない事です。当社は若手スタッフが多い会社ですが、工具の力を活用して熟練度の高い仕事もしっかりと対応できることが強みであると言えます。