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アンローダー式コンプレッサーの仕組み|圧力開閉器式との違いやメリットを解説!

2024.09.06

アンローダー式コンプレッサーの仕組み

 

コンプレッサーは様々な工場にて、強い圧力で圧縮した空気を供給します。そんなコンプレッサーには、いくつかの制御タイプがあるのが特徴です。

この記事ではアンローダー式のコンプレッサーについて解説していきます。

アンローダー式コンプレッサーの仕組み

空気圧縮機における空気圧縮の制御方式において、アンロード運転による運転制御を用いるのが、アンローダー式コンプレッサーです。

その仕組みについて、動作原理及びコンプレッサーの特徴を踏まえて解説していきます。

アンローダーバルブの動作原理

アンローダーバルブとはコンプレッサーのパーツであり、圧力を調整するバルブ(弁)を指します。調圧ねじの締め具合で空気圧力の上限及び下限を設定可能です。

設定圧力上限を超過すると、ピストンが作動しリリーフ弁が解放され、バイパスから空気を放出し、吐出出口から出る空気流量を低減させる役割を果たしています。

また設定圧力下限値より圧力が低下すると、ピストンが作動し、リリーフ弁が閉じることにより、バイパスからの空気放出がなくなる仕組みです。

アンローダー式コンプレッサーの特長

アンローダー式のコンプレッサーは、アンローダーバルブにより、コンプレッサーを制御圧力範囲にて、負荷運転、無負荷運転を繰り返します。

つまりフル負荷運転を避けることで、コンプレッサーの機械的ストレスや摩耗を軽減し、機器の延命が可能です。

用途としては、連続的に圧縮空気を使用する塗装工場等に適しています。

アンローダー式と圧力開閉器式の違い

圧力開閉器式は設定圧力で運転制御する方式です。設定圧力上限を超えると、圧力スイッチのマグネットを入り切りすることで、モーターの回転動作を停止させ、設定圧力下限を下回るとモーターが再起動し、圧縮空気を排出します。

一方、アンローダー式は、吸入気側のバルブを開閉させるだけなので、連続して駆動することが可能です。

アンローダー式エアーコンプレッサーのメリットは?

アンローダーバルブによる制御によって、完全に停止することなくコンプレッサーを稼働することが可能です。起動時の電力ロスがないため、省エネルギーかつ安定して一定の圧縮空気を連続的に使用することができます。

また、コンプレッサーの頻繁な起動・停止が少ないため、機械パーツへの負担が低減するでしょう。よって、パーツの交換頻度が減ることによる、メンテナンス費用の減少もメリットになります。

アンローダー式コンプレッサーの選び方

アンローダー式のコンプレッサーについて解説してきましたが、実際にアンローダー式のものを導入するに当たり、どのように選定するかを2つの観点から解説していきます。

必要な圧力と空気量を考慮する

メーカーのHPや製品カタログ等から必要スペックで選ぶために、事前に要求される圧力及び空気量を算出しておきます。

まず使用する圧縮空気の常用圧力の確認(MPa)が必要です。次に常用圧力より0.2MPa程度余裕のある制御圧力値のものを選定します。

同様に、実際に使用する空気量(L/min)の確認が必要です。そして使用空気量より20%以上余裕のある吐出空気量値のものを選定します。

設置スペースと騒音レベルの確認

メーカーのHPや製品カタログ等から必要スペックで選ぶために、事前に設置可能なスペースの面積及び高さ等を現地にて測定しておきます。メーカーのHPや製品カタログ等から接地する際必要な面積及び高さを確認しましょう。

次に騒音・振動規制の確認をします。規制は、7.5kW以上の空気圧縮機が対象になる可能性がありますが、各都道府県の条例により異なる場合があるため、所轄の市町村の担当窓口に問い合わせましょう。

コンプレッサーに関するよくある質問

以下では、コンプレッサーについてよくある質問と回答をまとめました。

アンローダー式を圧力開閉器式へ改造はできる?

圧力開閉器式の制御方式は、自動圧力スイッチにより電動機を制御圧力範囲でオンとオフを繰り返すものです。

アンローダー式から圧力開閉器式に改造することは可能ですが、圧力スイッチ及びマグネットスイッチや圧力が設定上限に達した時にコンプレッサー本体ヘッド部のエアー抜き配管等の部品が必要になります。

他にも配線作業や細かい作業が必要です。そのため、コンプレッサーの修理業者に見積もりを依頼し、施工してもらうことを推奨します。

アンローダー式コンプレッサーの消費電力は大きい?

圧力変動が少ない塗装工場などでは、消費電力は抑えられるでしょう。しかし、圧力変動が大きい場合や、コンプレッサーの運転パターンの変動が生じる場合は、アンローダーバルブによる制御によって消費電力は増大します。

コンプレッサーが結露するのはなぜ?

空気中に含まれる水蒸気が圧縮されると、水分を含む高温の圧縮空気になります。この圧縮空気が高い温度から低い温度に冷却されることが、水分結露の要因です。

まとめ

アンローダー式のコンプレッサーは、アンローダーバルブによって制御するため、一定の圧力で連続運転することが可能です。

アンローダー式のコンプレッサーを選ぶ際は、必要な能力をカタログスペックと照らし合わせたり、騒音・振動測定に関する規制を条例で調べたりする必要があります。

また、既存のアンローダー式コンプレッサーを圧力開閉器式に改造することができますが、コンプレッサー修理業者などに見積もりをもらって、施工してもらうことが最適です。

コンプレッサーの結露の原因は空気中の水蒸気であり、温度が高温から低温になると水分が結露するため、機器の劣化や故障を防ぐためには対策を行う必要があります。

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